「かとく」って何? 長時間労働で大阪、京都の会社が書類送検

平成27年8月27日の毎日新聞電子版に「大阪労働局と京都労働局は27日、外食チェーン「まいどおおきに食堂」「串家物語」などを全国展開する「フジオフードシステム」(大阪市)が大阪府と京都府の計17の直営店で従業員に違法な長時間労働をさせていたとして、法人としての同社と、各店の店長ら計16人を労働基準法違反容疑で大阪、京都両地検に書類送検した。」とあります。

今回は36協定に定められた残業時間の限度(月45時間)を超えて、最大月133時間の残業をさせていたとのことです。一般的に月の平均労働時間は173時間程度ですから、最大月に300時間超の労働時間があったと言うことになります。

月100時間超又は2~6ヶ月平均で月80時間を超えた時間外・休日労働時間があった場合、心臓疾患、脳疾患、精神疾患などの健康障害リスクが高まるとされています。

ところで「かとく」とは何でしょうか?「かとく」とは平成27年4月1日に東京労働局と大阪労働局に設置された、「過重労働撲滅特別対策班」の事であり、過重労働に関する法令違反を専門に扱う特別班です。

先に、7月2日にABCマートが労働基準法違反で書類送検するとニュースにはなっていました。

現在のところ、東京と大阪の両労働局にしか設置されていませんが、過重労働が全国的に無くならなければ順次設置する労働局が増えるかも知れませんね。

厚生労働省もブラック企業対策に本気で対応していくのでしょう。

マタハラ、残業未払いで訴えられました(有名エステサロン)。訴額は合計2,600万円にもなります。

10月29日エステサロン「たかの友梨ビューティクリニック」が訴えられました。マタハラ(マタニティ・ハラスメント)及び残業未払いだと言う事です。

東京地裁の提訴では女性従業員が「お腹の張りと腰痛がひどかったのに、出産の3カ月前まで朝9時から夜10時まで働き、切迫早産になった」としています。

労働基準法では、6週間以内に出産する女性が求めた場合は産前休暇を与える事になっています。(産後は8週間の休暇を与えなければならない事になっています。)

また、基本的には育休は子供が1歳になるまで取れる事になっていますが、会社は「4月以降に産休に入るか退職かを選ぶように」「産休に入るなら1年で復帰しないといけない」と説明していたと報道されています。

妊娠したら退職勧奨を行っていたとしたらマタハラと訴えられても仕方が無いと思われます。今回の訴えでは慰謝料200万円だそうです。それに加えて2年間の未払い残業代1,400万円も同時に請求を行ったとの事です。

 

同日に、仙台店に勤務していた従業員と元従業員の女性2人が、会社に未払い残業計1000万円の支払いなどを求める訴えを仙台地裁に起こしたそうです。

 

今年8月21日に「たかの友梨ビューティクリニック」の高野友梨社長が、職場の環境改善を求めた女性従業員に「労働基準法にぴったりそぐったら絶対成り立たない」「あなた会社つぶしてもいいの?」のと詰めよった事を女性従業員の加入する労働組合「エステ・ユニオン」により暴露されたばかりです。

 

その後9月11日に、「当社と致しましては、今後とも労働基準法や公益通報者保護法をはじめとする、法令、社会倫理及び企業規範の遵守並びに適正な労使関係の形成のためにも、全力を尽くして参る決意でございますので、皆様の変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。」と「エステ・ユニオン」に回答を送っていました。

 

にも関わらず、東京と仙台の事件です。

 

裁判結果はこれからで、どのような司法判断が出るかは現時点ではわかりませんが、このような事件が立て続け起こると、求人応募数は減り退職者も多く出る可能性があります。そうすると益々人手不足になり一人当たりの残業時間が増えることになってしまいます。

また、顧客も減り売上が下がる事も考えられます。

 

対岸の火事と流すのではなく、企業は最近問題になっている、パワハラ、マタハラ、残業未払いなどの問題に真摯に向き合わないといけませんね。

最低賃金を時給1500円にと アメリカで数千人規模のデモ

2014年9月4日、全米でマクドナルドなどのファースト店で働く従業員らが賃上げを求めて数千人がストライキやデモを行ったそうです。座り込みを行い、交通妨害をしたとして騒乱行為の容疑などで400人以上の逮捕者が出たとニュースでは報じられています。

 

連邦最低賃金は現行時給7ドル25セント(約760円)であり、ストライキ、デモに参加した従業員達は最低賃金を時給15ドル(約1580円)に引き上げるよう要求しています。

 

米国のファーストフード店従業員の時給は平均約9ドル(約950円)で、年収は約1万9000ドル(約200万円)程度だそうです。

 

保守系シンクタンクの試算によると時給が15ドルになれば、企業は商品価格を38%値上げせねばならず、利益は77%減るとしています。

 

2014年5月15日には東京都渋谷にてファーストフード店で働く人達が時給1500円にして欲しいと訴えデモを行いました。これは全米サービス業従業員組合(SEIU)が世界35カ国で一斉デモを呼び掛ける「世界同時アクション」の一環であったそうですが。

 

平成25年の都道府県最低賃金の加重平均は時給764円で日本もアメリカもほとんど同じであると言えます。

 

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した家計調査によると、上位3%の層の所得が全体に占める比率は、2013年には30.5%になったそうです。

 

これは貧富の差が広がっていることを示していますが、日本もアメリカと同様に貧富の差が広がっていますし、何時かは同じような事が起こることになるでしょう。

 

しかし、最低賃金が時給1500円となると、新卒の給与(月給)も最低260,000円程度になります。現在の特に中小企業・小規模事業でこのようなことが起こると人の採用は停滞することが予想されます。勿論、商品価格に転嫁できれば問題がないわけですが、競争力は低下してしまいます。

 

先進国での空洞化は進み、失業率も上がる結果になりそうです。そして、人々は安いものに走り景気は停滞し正規雇用者の割合も減り貧富の差は益々進んで行くことになるでしょう。

 

卵が先か鶏が先かの問題ですが、この大きな問題に目を背けず真剣に考えて、実行していく企業だけが生き残り、その他は淘汰されていく日もそう遠くはないと思います。

中小企業でパワハラ増加

労働新聞(平成26年6月16日)を見ていますと、中小企業でパワハラが増加しているとの記事が載っていました。

神奈川県が平成25年度の労働相談の結果をまとめた結果によると中小企業ほどパワハラが発生しやすい実態が明らかになったそうです。

同県に寄せられた相談件数12,302件中、女性は6.759件、その約半数の3,106件は非正規労働者からだったとのことです。

相談内容は 1.労働契約の終了 3,361件 2.職場での人間関係 2,638件

の順で多く、職場での人間関係を細かく見るとパワハラが1,417件で前年度比19.9ポイント増とのことです。

同県によると、女性からの相談が過去最多だったのはパワハラの増加が一因となっているとしています。

働くうえで最もストレスとなるのは「人間関係」であることは随分と前から言われています。また、労働局への相談事項も「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は多くなっています。

しかし、今まではパワハラの定義が明確でなかった事もあり、パワハラと区分されてていなかったのではないでしょうか。

会社としてはパワハラで大切な従業員を失わないように気を付けて行きたいものです。

うつ病罹患での労災申請のご相談が増えています。

当法人のサイトにうつ病に罹患した場合の労災認定に関して記載していますが、最近は労災認定に関するお問い合わせが増えて来ました。

当法人では過重労働(長時間労働)、パワハラ、セクハラによるうつ病などの精神疾患に罹患された方の労災申請の手続きをさせて頂いています。

過重労働やパワハラだけでなく、過度なノルマの為にうつ病などの精神疾患に罹患された場合も労災認定を受けることが出来る可能性があります。どうかなぁと悩まれている方は1度ご相談ください。

当法人の代表上田は産業カウンセラーの資格も合わせ持ち、 『京都府自殺ストップセンター「いのちのサポートチーム」登録社労士』です。

また企業様向けに過重労働、パワハラ、セクハラによるうつ病などの精神疾患に罹患されることがないような体制作りのお手伝いも行なっています。

働く人の健康を守るのも会社の義務です。ブラック企業などと言う不名誉なレッテルを貼られる前にご相談ください。

パワハラ、セクハラで精神疾患 労災申請最多1409人(H25年度)

職場でのパワハラ、セクハラ、長時間労働で精神疾患を罹患し労災申請をした人は平成25年度は前年度比152人増の1409人と過去最多であったことが平成26年6月27日の厚生労働省での発表でわかりました。

5年連続で1000人を超す高水準で、30~40代の働き盛りが6割を超えているそうです。このうち労災認定をされたのは436人で、嫌がらせやいじめ、セクハラが原因だったケースがともに過去最多となったそうです。

436人の内訳は男性289人、女性147人で、前年より39人減ったが過去2番に多さです。うち63人が自殺(未遂を含む)を図るなど深刻な問題となっています。

精神疾患の原因について「嫌がらせやいじめ(パワハラ)」と認定されたのは55人、「セクハラ」と認定されたのは40人で共に過去最多になっています。特にパワハラは「仕事量が増えた」のが原因である55人と対で原因のトップとなりました。

厚生労働省での分析では「仕事が理由でストレスを感じている人が増えている。労働者側に精神疾患が労災認定の対象になるとの認識が広がったことも背景にある」としています。

パワハラやセクハラ、長時間労働での精神疾患罹患が労災認定されると、その後に損害賠償請求をされることもあります。自殺で亡くなった場合、遺族から請求される損害賠償額は5000万円~1億5000万円と高額あり、さらにブラック企業として一般に認識すると、応募者数が減るなどの問題も出ています。

実際、大手居酒屋チェーン店では新卒の応募者数が減って店舗閉鎖の影響も出ています。

このような事に陥らないためにもEAP (http://adr-kyoto.net/?page_id=4752) などを利用されることをお勧めいたします。

若い働き手が少なくなっており、中小・小規模事業では人が集まりにくくなっています。働く人を大切にすることを宣言する事は、これからの企業運営には欠かせないのではないでしょうか。

ブラック企業には注意:就職する側にも最低限の知識が必要です。

H26/5/17 の産経新聞によると大学就職率は3年連続で改善し、今春卒業した4月1日時点の就職率は94.4%だったそうです。

ただ、リーマンショック前の就職率よりは2.5ポイント及ばず、推定で2万3000人の就職が決まっていないとのことです。

しかし、新聞ではこう続きます。景気回復で就職率は上昇傾向だが、せっかく見つけた働き口がいわゆるブラック企業で、過酷な労働を強いられ、うつ病に苦しむ若者が少なくないと。

このような例が。24歳の女性は大学卒業後就職した会社を3か月で退職。昨年12月に民間の職業紹介会社を通じて再び東京都内のIT企業に就職。紹介会社からは仕事は事務と聞いていたが、会社には事務は募集していないのでシステムエンジニアをして欲しいと言われ入社1か月前に無給で長時間の研修をさせられた。研修が終わる頃に労働条件通知書を渡され基本給は18万円で200時間未満まではみなし残業とするという過酷な条件だったとか。女性は疲れ果てていて内容をよく読んでいなかったと。

そして働き始めると、新人では到底こなせないような高度な仕事をさせられ、長時間労働に加え上司から叱られ続けた女性は体調を崩し、今年の1月から休職しているとか。

体調を崩して休業している女性は確かに気の毒なのですが、この記事を読んでいてあれ?と不思議な事がいくつか。

先ず、この女性が初めの会社を辞めた理由は?はじめの会社ブラック企業云々と書かれていないところがら想像すると仕事のミスマッチか何かで女性の都合で会社を早期に退職してしまった可能性もありますよね?

次に紹介会社が中に入っての再就職となっていますが、紹介会社が仕事を紹介する時に「仕事の内容」を偽ったり、給与などの条件を伝えなかったのでしょうか?

会社が偽ったのか、紹介会社が共謀して偽ったのか?それとも労働条件がわからないのに、女性は職を決めたのでしょうか?

会社の労働条件の偽りはあってはけけないでしょうし、紹介会社が故意や重大な過失があって偽りを放置していたら大きな問題です。会社が偽ったのか、紹介会社が偽ったのか、女性が気にしなかったのか、この報道だけでは判断できません。

3つ目は1か月間無給の研修をどう伝えていたかです。この研修が業務に必ず必要なものであり、就職する時には義務付けられている場合は使用者(会社)の支配下にあるわけですし、給与の支給は必要となるでしょう。

本来はこの研修の初日が就職日であり、この期間に給与が支払われていないのであれば、賃金未払いになるのでは?会社も女性もこの認識がないのでは?勿論、この場合、就職したい女性の気持ちを利用した会社の許されざる行為となるでしょう。

4つ目が研修が終わる頃に労働条件を示され基本給が18万円で200時間まではみなし残業とする過酷な労働条件が書かれていた件。紹介会社が入っているのに労働条件が明確でないのが気になります。

募集時と就職時に労働条件の変更があっても労使(会社と労働者)が合意していれば法的には問題はないのですが、報道で読んでいる限りは先に労働条件の通知があったととは読めません。さてどうなっているのでしょうか?

最後に、200時間まではみなし残業という過酷な労働条件。これも気になりますね。一般的に労働基準法では週40時間が法定の労働時間です。月に換算すると168~177時間程度でしょうか。(1年の平均では173時間程度)すると、法定外労働=残業時間は月に27時間程度です。

業種にもよりますが、小規模企業であれば月に30時間程度の残業は日常茶飯事です。これを過酷な労働条件と言うのはいささか大げさな気もします。

勿論、200時間の残業であれば過酷ですが、18万円の基本給に200時間の残業は最低賃金法の関係からも含めることはできません。

すなわちこの報道ではブラックい企業に気の存在を喚起しているのでしょうが、労働条件を通知していなかったり、無給の研修をしたり、後に労働条件を変えたとなれば会社や紹介会社の責任ですし、何も考えないで前職を辞めてちゃんと考えずに次の仕事に就いたとなれば女性の過失も少ないと言えどもあります。

そして、今の多くの中小企業、小規模企業にとっては30時間の残業が過酷と書く新聞も不安を煽りすぎているのではと言うのが正直な感想です。

どうであればブラック企業と言えるのか。会社も紹介会社も新聞社もそして就職する人ももう少し法的な理解をすべきではないでしょうか。

学生も被害…ブラック企業のバイト版登場

若者を使い捨てにするブラック企業が話題になっていましたが、報道によるとブラックバイトが登場しているそうです。

    • 「希望を無視してシフトを組まれ、試験前でも休ませてくれない。サービス残業もさせられる」
    • 「売れ残りの商品を買わされる。連絡メールにすぐに返信しないと、給料が減らされる」
    • 「初日から先輩のバイトに怒鳴られ、ミスをすると暴力を振るわれる」

支援団体やインターネット上には、ブラック企業で働く新入社員と同様、劣悪な職場環境で悩む学生からの悲痛な声が寄せられているとのこと。

報道の中である生命保険会社が昨年7月、民間企業や官公庁に勤務、内定している20代の若者1043人にアンケートしたところ、職場の労働環境や早期退職率が高くないかなど企業の評判について、「気になった」と答えた内定者は29・4%、「少し気になった」が47・1%で、「あまり気にならなかった」「気にならなかった」の計23・5%を大きく上回った。

と調査結果を発表していますが、この生命保険会社(と言うか大方の大手生命保険会社)自体のやり方(テレアポは自分の携帯でかけるし、パソコンレンタル代からお客さんに配るアメニティ料金まで給与から天引きするやり方)は十分ブラックのような気がするのですが。

一般の会社ではパソコン使用料などなどを給与から控除すれば一発でブラック企業ですよね。

閑話休題。アルバイトにサービス残業をさせる、売れ残りを買わせるというのはとんでもない話です。この事が本当であれば社名をどんどん公開していくなどすべきだと考えます。

真面目にやっている多くの企業が「正直者が損をする」とならないよう切に願います。