第8次社会保険労務士法改正の付帯決議で思うこと1

今回の社会保険労務士法改正では補佐人制度の創設などが行われました。但し、無条件で改正が成立するのではなく付帯決議が付きました。

付帯決議2

訴訟代理人の 補佐人制度 の創設 については 、個別労働関係紛争に 関 する 知見の 有無 にかかわらず 全ての 社会保険労務士 を 対象 としていることから、 その職務を 充実したものとするため 、社会保険労務士試験 の 内容の 見直しや 対審構造での紛争解決 を前提 とした 研修 などのほか 、利益相反 の観点 から 信頼性 の 高い 能 力を 担保するための 措置 を検討 すること 。 また 、 補佐人としての 業務 が 能力 に 基づき適切 に行 われるよう 指導 を徹底 すること。

ADR(裁判外紛争解決手続)代理に関しては特定社会保険労務士でないとできませんが、訴訟代理人の補佐人は全ての社会保険労務士が可能です。

考えられるのは顧問先で個別労働紛争がおこり、労働者側から労働審判が開始された場合などが考えられます。

労働審判は現状では特定社会保険労務士にも代理権はないので、弁護士に代理人を依頼することになるでしょう。その時に当該顧問先の労務管理に携わってきた社会保険労務士が訴訟代理人の補佐人として出廷し陳述する場合などが考えられます。

そのために社会保険労務士試験の内容の見直しなどをするよう付帯決議されています。

具体的にはどうなるかはわかりませんが、民法、民事訴訟法などの科目が追加さえるのがベストだと私は考えます。

付帯決議5

社会保険労務士法 が 労働者の 権利保護 に極 めて 大 きな 影響 を 与えることに 鑑み 、今後の 政府による法改 正に 当たっては 、 公労使 の代表を 委員とする 労働政策審議会を 経 て、 その 結果を 反映 させること。

付帯決議3に「社会保険労務士 の業務範囲 が大幅に 拡大する」と書かれていますが、この事も受けて付帯決議5はあるのだと考えます。

勿論、無茶な法改正を望む事はないと思われますが、今後の社会保険労務士法の改正には公労使の代表を委員とする労働政策審議会を経て、その結果を反映させるとなっています。

すなわち次の改正はハードルが高くなったことになります。

私見ですが、簡易裁判所での訴訟代理権まで社労士が望む必要はないが、個別労働紛争に係る民事調停の代理までは特定社労士に認めてもらいたいと考えています。そうすれば司法、行政、民間全てのADR代理権ができるからです。

ADRはあくまで話し合いでの解決を理念として、訴訟とは切り離して考えるべきだと考えます。

但し、話し合いで解決できなかった時には訴訟に移行することもあることから、社労士がスムーズに弁護士にバトンタッチできるよう、民事訴訟法を理解しておくことは必要だと思います。

ADR代理を実際に経験している特定社労士がどれだけいるのか疑問でもありますし、新たな権限拡大より今ある権限を十分に発揮しなければいけませんよね。

(特定の付記のない)社会保険労務士が個別労働紛争に関する訴訟に出廷陳述できるのでしょうか?

今回の社会保険労務士法改正により次の条項が追加になりました。

第二条の二

社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。

前項の陳述は、当事者又は訴訟代理人が自らしたものとみなす。ただし、当事者又は訴訟代理人が同項の陳述を直ちに取り消し、又は更正したときは、この限りでない。

この条文を読む限り補佐人として出廷陳述できるのは特定社会保険労務士だけではなく、特定の付記がない社会保険労務士でも可能です。

元々、社会保険労務士には労災の決定に不服がある場合などの審査請求や再審査請求の代理業務(事務代理)が可能でしたが、再審査請求でも主張が認められず訴訟をした場合、今までは完全に弁護士にバトンタッチしなければならなかったのが、補佐人として続けて関与が出来ることになります。

また、特定社会保険労務士が裁判外紛争解決手続(ADR手続)で、個別労働紛争を解決出来なかった場合に、訴訟した場合も同様です。

しかし、この条文だけではわからないことが一点。

(特定の付記がない)社会保険労務士の顧問先で個別労働紛争が起こり裁判となった場合に、当該社会保険労務士が補佐人として出廷陳述できるのでしょうか?

だとすれば、拡大解釈をすれば、裁判外紛争解決手続(ADR手続)で代理人が弁護士と共に補佐人してあっせん等に参加できるのでしょうか?

今までは特定社会保険労務士でなければ、あっせん等には補佐人としても参加できませんでした。

順次明らかになって行くのでしょうが、今のところ疑問ですね。

中小企業でパワハラ増加

労働新聞(平成26年6月16日)を見ていますと、中小企業でパワハラが増加しているとの記事が載っていました。

神奈川県が平成25年度の労働相談の結果をまとめた結果によると中小企業ほどパワハラが発生しやすい実態が明らかになったそうです。

同県に寄せられた相談件数12,302件中、女性は6.759件、その約半数の3,106件は非正規労働者からだったとのことです。

相談内容は 1.労働契約の終了 3,361件 2.職場での人間関係 2,638件

の順で多く、職場での人間関係を細かく見るとパワハラが1,417件で前年度比19.9ポイント増とのことです。

同県によると、女性からの相談が過去最多だったのはパワハラの増加が一因となっているとしています。

働くうえで最もストレスとなるのは「人間関係」であることは随分と前から言われています。また、労働局への相談事項も「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は多くなっています。

しかし、今まではパワハラの定義が明確でなかった事もあり、パワハラと区分されてていなかったのではないでしょうか。

会社としてはパワハラで大切な従業員を失わないように気を付けて行きたいものです。

うつ病罹患での労災申請のご相談が増えています。

当法人のサイトにうつ病に罹患した場合の労災認定に関して記載していますが、最近は労災認定に関するお問い合わせが増えて来ました。

当法人では過重労働(長時間労働)、パワハラ、セクハラによるうつ病などの精神疾患に罹患された方の労災申請の手続きをさせて頂いています。

過重労働やパワハラだけでなく、過度なノルマの為にうつ病などの精神疾患に罹患された場合も労災認定を受けることが出来る可能性があります。どうかなぁと悩まれている方は1度ご相談ください。

当法人の代表上田は産業カウンセラーの資格も合わせ持ち、 『京都府自殺ストップセンター「いのちのサポートチーム」登録社労士』です。

また企業様向けに過重労働、パワハラ、セクハラによるうつ病などの精神疾患に罹患されることがないような体制作りのお手伝いも行なっています。

働く人の健康を守るのも会社の義務です。ブラック企業などと言う不名誉なレッテルを貼られる前にご相談ください。

パワハラ、セクハラで精神疾患 労災申請最多1409人(H25年度)

職場でのパワハラ、セクハラ、長時間労働で精神疾患を罹患し労災申請をした人は平成25年度は前年度比152人増の1409人と過去最多であったことが平成26年6月27日の厚生労働省での発表でわかりました。

5年連続で1000人を超す高水準で、30~40代の働き盛りが6割を超えているそうです。このうち労災認定をされたのは436人で、嫌がらせやいじめ、セクハラが原因だったケースがともに過去最多となったそうです。

436人の内訳は男性289人、女性147人で、前年より39人減ったが過去2番に多さです。うち63人が自殺(未遂を含む)を図るなど深刻な問題となっています。

精神疾患の原因について「嫌がらせやいじめ(パワハラ)」と認定されたのは55人、「セクハラ」と認定されたのは40人で共に過去最多になっています。特にパワハラは「仕事量が増えた」のが原因である55人と対で原因のトップとなりました。

厚生労働省での分析では「仕事が理由でストレスを感じている人が増えている。労働者側に精神疾患が労災認定の対象になるとの認識が広がったことも背景にある」としています。

パワハラやセクハラ、長時間労働での精神疾患罹患が労災認定されると、その後に損害賠償請求をされることもあります。自殺で亡くなった場合、遺族から請求される損害賠償額は5000万円~1億5000万円と高額あり、さらにブラック企業として一般に認識すると、応募者数が減るなどの問題も出ています。

実際、大手居酒屋チェーン店では新卒の応募者数が減って店舗閉鎖の影響も出ています。

このような事に陥らないためにもEAP (http://adr-kyoto.net/?page_id=4752) などを利用されることをお勧めいたします。

若い働き手が少なくなっており、中小・小規模事業では人が集まりにくくなっています。働く人を大切にすることを宣言する事は、これからの企業運営には欠かせないのではないでしょうか。

行政書士法改正が国会に出ました。社労士法改正は?

社会保険労務士隣接の行政書士法改正が国会に提出されました。

その内容は

====引用開始

第一条の三
行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

一 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。次号において同じ。)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。

前条の規定により行政書士が作成した官公署に提出する書類に係る許認可等に関する審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立ての手続について代理し、及びその手続について官公署に提出する書類を作成すること。

三・四 〔略〕

2 前項第二号に掲げる業務は、当該業務について日本行政書士会連合会がその会則で定めるところにより実施する研修の課程を修了した行政書士(以下「特定行政書士」という。)に限り、行うことができる。

(特定行政書士の付記)
第七条の三 日本行政書士会連合会は、行政書士が第一条の三第二項に規定する研修の課程を修了したときは、遅滞なく、当該行政書士の登録に特定行政書士である旨の付記をしなければならない。

2 日本行政書士会連合会は、前項の規定により行政書士名簿に付記をしたときは、その旨を当該行政書士に書面により通知しなければならない。

====引用終わり

一定の代理を認めているものの、これらの条文を読む限り中途半端な代理権のようです。聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為は法律事件に関する法律事務を除くとなっていることから紛争がある場合は代理できないようです。(行えば弁護士法第72条違反)

審査請求、異議申立て、再審査請求等に関しては『行政書士が作成した』と規定されていることから、その範囲は限られます。

例えば社労士の場合、会社で労災手続をしたが監督署の決定に不服がある時に社労士が審査請求の代理を受託する事ができます。しかし、今回の行政書士法の改正ではその『行政書士が作成した』が入るので、当初、会社が独自に手続をして行政の決定に不服があった場合、行政書士に頼んで審査請求をしてもらう事が出来ません。第三者に依頼するのであれば弁護士になります。

私は行政書士ではないので実際の所はわかりませんが、今回の改正でどれだけ代理権が意味のあるもになるのでしょうか?

さて、社労法での改正では

  • 社労士会労働紛争解決センターにおける紛争目的額の120万円に引き上げ(120万円以上の場合は弁護士と共同受任の必要)
  • 社会保険労務士業務(紛争解決手続代理業務を含む)に関し、裁判所(非訟事件を含む)において、補佐人として弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述することのできる権限の付与
  • 一人法人制度の創設等社会保険労務士法人制度の改善

こちらも中途半端です。社労士会労働紛争解決センターでは目的額が制限されるのに労働局のあっせん、調停等では制限はありません。制限があるにしても120万円ではなくせめて160万円にしてもらえれば良かったのですが…

社労士の法人化は複数社労士が集まることに意義があるのではと感じている私に取っては、一人法人制度はどちらかと言うと反対です。

簡易裁判所での個別労働紛争に係る民事調停の代理を望んでいたのですが、訴訟代理人と一緒に補佐人としての権限にとどめられました。ただ、訴訟に慣れていない我々社労士は補佐人として参加する事により弁護士より訴訟手続を学ぶことが出来るチャンスにはなります。

簡易裁判所での個別労働紛争に係る民事調停の代理ですが、『代理」を簡易裁判所での個別労働紛争に係る民事調停に『補佐人』として出頭し、陳述することのできる権限の付与(訴訟代理人弁護士なしで)になればと個人的には感じています。

審査請求等の代理権がある社労士が審査請求等の代理を行い、その決定にクライエントが不服の場合、行政訴訟となれば訴訟代理人の弁護士と共に補佐人としてその問題に引き続き関与できるようになる事は歓迎できます。

行政書士法改正も社会保険労務士法改正も弁護士会からの反対があり、どちらも中途半端になってしまいました。(今回改正が行われば多少社労士の方が利がありますが)

元々、訴訟は弁護士の仕事ですし、そこまで踏み入れる必要はないでしょう。しかし、話し合いによる解決方法=ADRに関しての代理(簡易裁判所は補佐でも)が全て出来るようになればなぁと思います。

それにしても

社会保険労務士、行政書士の中に 特定社会保険労務士、特定行政書士ができると、国民には分かりにく制度になって行くような。

 

ブラック企業には注意:就職する側にも最低限の知識が必要です。

H26/5/17 の産経新聞によると大学就職率は3年連続で改善し、今春卒業した4月1日時点の就職率は94.4%だったそうです。

ただ、リーマンショック前の就職率よりは2.5ポイント及ばず、推定で2万3000人の就職が決まっていないとのことです。

しかし、新聞ではこう続きます。景気回復で就職率は上昇傾向だが、せっかく見つけた働き口がいわゆるブラック企業で、過酷な労働を強いられ、うつ病に苦しむ若者が少なくないと。

このような例が。24歳の女性は大学卒業後就職した会社を3か月で退職。昨年12月に民間の職業紹介会社を通じて再び東京都内のIT企業に就職。紹介会社からは仕事は事務と聞いていたが、会社には事務は募集していないのでシステムエンジニアをして欲しいと言われ入社1か月前に無給で長時間の研修をさせられた。研修が終わる頃に労働条件通知書を渡され基本給は18万円で200時間未満まではみなし残業とするという過酷な条件だったとか。女性は疲れ果てていて内容をよく読んでいなかったと。

そして働き始めると、新人では到底こなせないような高度な仕事をさせられ、長時間労働に加え上司から叱られ続けた女性は体調を崩し、今年の1月から休職しているとか。

体調を崩して休業している女性は確かに気の毒なのですが、この記事を読んでいてあれ?と不思議な事がいくつか。

先ず、この女性が初めの会社を辞めた理由は?はじめの会社ブラック企業云々と書かれていないところがら想像すると仕事のミスマッチか何かで女性の都合で会社を早期に退職してしまった可能性もありますよね?

次に紹介会社が中に入っての再就職となっていますが、紹介会社が仕事を紹介する時に「仕事の内容」を偽ったり、給与などの条件を伝えなかったのでしょうか?

会社が偽ったのか、紹介会社が共謀して偽ったのか?それとも労働条件がわからないのに、女性は職を決めたのでしょうか?

会社の労働条件の偽りはあってはけけないでしょうし、紹介会社が故意や重大な過失があって偽りを放置していたら大きな問題です。会社が偽ったのか、紹介会社が偽ったのか、女性が気にしなかったのか、この報道だけでは判断できません。

3つ目は1か月間無給の研修をどう伝えていたかです。この研修が業務に必ず必要なものであり、就職する時には義務付けられている場合は使用者(会社)の支配下にあるわけですし、給与の支給は必要となるでしょう。

本来はこの研修の初日が就職日であり、この期間に給与が支払われていないのであれば、賃金未払いになるのでは?会社も女性もこの認識がないのでは?勿論、この場合、就職したい女性の気持ちを利用した会社の許されざる行為となるでしょう。

4つ目が研修が終わる頃に労働条件を示され基本給が18万円で200時間まではみなし残業とする過酷な労働条件が書かれていた件。紹介会社が入っているのに労働条件が明確でないのが気になります。

募集時と就職時に労働条件の変更があっても労使(会社と労働者)が合意していれば法的には問題はないのですが、報道で読んでいる限りは先に労働条件の通知があったととは読めません。さてどうなっているのでしょうか?

最後に、200時間まではみなし残業という過酷な労働条件。これも気になりますね。一般的に労働基準法では週40時間が法定の労働時間です。月に換算すると168~177時間程度でしょうか。(1年の平均では173時間程度)すると、法定外労働=残業時間は月に27時間程度です。

業種にもよりますが、小規模企業であれば月に30時間程度の残業は日常茶飯事です。これを過酷な労働条件と言うのはいささか大げさな気もします。

勿論、200時間の残業であれば過酷ですが、18万円の基本給に200時間の残業は最低賃金法の関係からも含めることはできません。

すなわちこの報道ではブラックい企業に気の存在を喚起しているのでしょうが、労働条件を通知していなかったり、無給の研修をしたり、後に労働条件を変えたとなれば会社や紹介会社の責任ですし、何も考えないで前職を辞めてちゃんと考えずに次の仕事に就いたとなれば女性の過失も少ないと言えどもあります。

そして、今の多くの中小企業、小規模企業にとっては30時間の残業が過酷と書く新聞も不安を煽りすぎているのではと言うのが正直な感想です。

どうであればブラック企業と言えるのか。会社も紹介会社も新聞社もそして就職する人ももう少し法的な理解をすべきではないでしょうか。

過労自殺をした女性の両親が1億5300万円の損害賠償請求

平成25年12月9日産経新聞による報道です。

====以下引用

居酒屋チェーン「ワタミフードサービス」の新入社員だった森美菜さん=当時(26)=が過労自殺したのは、会社と経営陣が安全配慮義務を怠ったためなどとして、両親が9日、創業者の渡邉美樹参院議員ら会社側に「懲罰的慰謝料」を含む約1億5300万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

代理人弁護士によると、懲罰的慰謝料の請求は過労死・過労自殺をめぐる民事訴訟では異例。被告は同社と持ち株会社「ワタミ」の法人2社、当時ワタミグループを率いていた渡邉氏ら個人3人としている。

訴えによると、森さんは平成20年4月に入社し、神奈川県横須賀市の店舗で調理を担当。月約140時間に及ぶ時間外労働の末、手帳に「体が辛いです。誰か助けて下さい」と書き残し、6月に飛び降り自殺した。過労自殺として24年2月に労災認定されている。

渡邉氏には、全従業員に「24時間働け」などとげきを飛ばす言動があったとして「労働者の安全や健康に対する配慮がみられない」と指摘。懲罰的慰謝料を求める理由を「全従業員の過重労働でまかなえる程度の慰謝料では、悪質な過労死を防げない」と説明した。

都内で記者会見した父の豪さん(65)は「なぜ娘が亡くなったのかを答えてほしいという一点で提訴した」と話した。

====引用終わり

この事件のその後を追いかけると「平成26年3月27日。初めて出廷した当時の経営トップ、渡辺美樹氏(現参議院議員)が、法的な責任は認めなかったものの、道義的責任は認めて、両親に対して初めて面と向かい、頭を下げた。」と報道されています。

同日「ワタミは運営する居酒屋の1割となる60店は平成26年度中に閉店すると発表した」と報道されています。人手不足のために店舗運営がままならない状態だと言われています。

景気回復のため飲食業では人手不足であるのは確かですが、休みの日にもボランティアで研修をしなくてはならないような会社作りにも問題があるのではないでしょうか。

さらに、女性が亡くなったのが平成20年。今年は平成26年。でやっと渡辺氏は頭を下げた。6年が経過しているのです。あまりにも遅すぎたのではないでしょうか。

亡くなった森美菜さんのご冥福をお祈りしつつ、仕事で人が死ぬなどないような社会にして行きたいと考えます。

 

 

学生も被害…ブラック企業のバイト版登場

若者を使い捨てにするブラック企業が話題になっていましたが、報道によるとブラックバイトが登場しているそうです。

    • 「希望を無視してシフトを組まれ、試験前でも休ませてくれない。サービス残業もさせられる」
    • 「売れ残りの商品を買わされる。連絡メールにすぐに返信しないと、給料が減らされる」
    • 「初日から先輩のバイトに怒鳴られ、ミスをすると暴力を振るわれる」

支援団体やインターネット上には、ブラック企業で働く新入社員と同様、劣悪な職場環境で悩む学生からの悲痛な声が寄せられているとのこと。

報道の中である生命保険会社が昨年7月、民間企業や官公庁に勤務、内定している20代の若者1043人にアンケートしたところ、職場の労働環境や早期退職率が高くないかなど企業の評判について、「気になった」と答えた内定者は29・4%、「少し気になった」が47・1%で、「あまり気にならなかった」「気にならなかった」の計23・5%を大きく上回った。

と調査結果を発表していますが、この生命保険会社(と言うか大方の大手生命保険会社)自体のやり方(テレアポは自分の携帯でかけるし、パソコンレンタル代からお客さんに配るアメニティ料金まで給与から天引きするやり方)は十分ブラックのような気がするのですが。

一般の会社ではパソコン使用料などなどを給与から控除すれば一発でブラック企業ですよね。

閑話休題。アルバイトにサービス残業をさせる、売れ残りを買わせるというのはとんでもない話です。この事が本当であれば社名をどんどん公開していくなどすべきだと考えます。

真面目にやっている多くの企業が「正直者が損をする」とならないよう切に願います。

 

社会保険労務士の仕事

社会保険労務士の仕事は次のようなものがあります。

  1. 労働社会保険に関する書類等の作成代行
  2. 労働社会保険に関する書類等の提出代行
  3. 個別労働関係紛争の解決手続(あっせん・調停等)の代理
  4. 労務管理や労働社会保険に関する相談等

この中で1~3は独占業務であり社会保険労務士でないとできません。中でも3は特定社会保険労務士のみができる業務になります。(弁護士・認定司法書士はこの業務は可能)

あっせん等とは話し合いにより個別労働紛争を解決することで

  • 個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行う あっせん手続の代理
  • 男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理
  • 育児介護休業法に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理
  • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき都道府県労働局が行う調停手続の代理
  • 個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせん手続の代理
  • 都道府県社社労士会労働紛争解決センターが行うあっせん手続の代理

などです。この業務に第8次社会保険労務士法改正で

  • 簡易裁判所での訴訟代理権
  • 裁判所における出廷陳述権
  • 労働審判における代理権

を追加したいと全国社会保険労務士会では考えていました。しかし、日弁連の反対もあり

  • 個別労働紛争について簡易裁判所における民事調停の代理ができること
  • 裁判所(非訟事件を含む)において弁護士とともに補佐人として出頭し陳述できること
  • 社労士会労働紛争解決センターにおける60万円枠を撤廃すること

に変更になりました。我々社会保険労務士としてはADRに特化し、司法・行政・民間型のADR代理ができることになります。

しかし、これもまた変更になったようです。公明党山本ひろし議員のブログで見つけました。

http://www.yamamoto-hiroshi.net/archives/2014/02/28/

平成14年2月26日の公明党社会保険労務士議員懇談会での内容では

  • 社労士会労働紛争解決センターにおける枠を120万円にすること
  • 社労士業務に関する裁判所での出廷陳述権の付与
  • 1人で社労士法人を設立できる制度の創設

の要望があり、前進できるよう取り組んでいくと山本議員は書かれています。

改正法成立が何時になるかは定かでないのですが、その内容が随分と変わってきたようにも思えます。

「社労士業務に関する裁判所での出廷陳述権の付与」が目玉のようですが、このままの言葉で条文化されるものなのでしょうか???

どちらにせよ私の「社会保険労務士としては労働紛争に関してはADRに特化し、司法・行政・民間型のADR代理ができるようになれば」という思いは実現しないようです。

社会保険労務士は労災保険給付に関する決定に不服がある場合の審査請求・再審査請求の代理権はあります。しかし、行政訴訟の代理権はありません。「社労士業務に関する裁判所での出廷陳述権の付与」がなされた場合、行政訴訟での出廷陳述ができるようになるのでしょうか?

それにしても第8次改正は何時になる事やら。